GUZAI3ノートブック

友人であるGUZAI3様の依頼で備忘録を書いています。

親戚Aとの思い出

あれは上京して就職したての頃だった。既に上京している親戚Aからご飯の誘いがあり、新天地のことを色々と聞こうと思っていた自分は誘いに乗った。そこでは久しぶりに会った親戚としての普通な会話もしたが、自己啓発本とかをおすすめされ、何も知らないのでとりあえず乗っておくかということで買って読んだ。端的に言えばサラリーマンはクソという本だ。
そのあとは会わせたい人がいるとかなんとかで後日会うことになった。(かなり不穏!)まあ交友関係も広げとくかということでとくに疑わなかった。ついでにスポーツで交流してるということでその辺りも参加していた。それを続けていると、界隈の人となりが見えてきた。どうやら自分でビジネスをして脱サラを狙う、もしくは脱サラした人たちらしい。宗教感は無かったが、隠してたのかどうかは分からない。ただ師弟関係とか色々と面倒そうだなと思った。上納金とかあったのかな。
まあスポーツ交流やらは普通に楽しかったので参加はしていたのだが、ビジネスをするという点は頑なに断っていた。断っていたというより、興味が無かったし、それを態度に出していた。親戚Aはそれなりの立ち位置にいたらしく、その親戚である自分も何かと気にかけてもらった。とはいえビジネスをする気は無いのだが。
面白かったイベントとしては、ビジネスのトップらしき人に会わせてもらったことだ。都市部の高級ビルに住んでいる成功者らしき人と面会した。親戚Aいわく、トップ層であり、師匠の師匠の師匠みたいな人らしい。たしかに当人はすごそうだったが、同時に『これはピラミッド構想だな』と完全に察した。きっとありがたいお言葉をもらっているんだろうなとも思った。知らんけど。
親戚Aのエピソードは他にもある。あれは法事で親戚が集まったときだった。親戚Aも居たが、『会社辞めて自分のビジネスやってることは親に隠して欲しい』と言われた。まあバラす理由もないので何も言わなかったが、親に言えない仕事をするなんてたかが知れてるなと思った。まあそれはどうでもよくて、もうひとつ人間性を疑うふるまいがあった。法事用の仕出しに対して、自分だけに言ったことだが、(おそらく同じ思想と思われたのだろう!)これがどれだけ儲かるかみたいなことを熱弁してきた。法事でもそういう視点で動いてるんだなと残念に思った瞬間である。
他にも色々とエピソードはあるが割愛する。自分としては、サラリーマンでもそうでなくても良いのだけれども、何かを過度に下げて推してくるのはいい大人がすることでは無い、と思った。曰く、雇われサラリーマンはラットレースで搾取され続けている不幸な存在らしい。そうやって見下す人はたとえ親戚でも関わる気はあまりない。
いつからか仕事が忙しくなり、それを名目に誘いを断るようになった。界隈の人とは自然と連絡しなくなっていった。結局あれがまともな取り組みだったのか、マルチだったのか、どうかは分からない。真面目に起業していたのかもしれない。ただ少なくとも自分にとっては、合わないスタイルだったのだろうと、そう思う。